ニュースリリース

大和ハウス工業株式会社主催のセミナーに、代表取締役 佐々木が登壇。「IoT+AIが実現する輸配送の未来」について講演致しました。

2017/8/25

8月3日(木)、大和ハウス工業株式会社建築事業部が主催する「Intelligent Logisticsの実現に向けた大和ハウス工業の取り組み」が開催されました。これからの時代に対応したロジスティクス戦略として、合理的な物流施設と物流テクノロジーの融合というテーマで開かれたセミナーにおいて、第2部に株式会社Hacobu 代表取締役佐々木太郎が登壇。「IoT+AIが実現する輸配送の未来」について語りました。

以下、講演内容をご紹介いたします。

株式会社Hacobuについて

こんにちは、Hacobu(ハコブ)の佐々木と申します。宜しくお願い致します。
まず、Hacobuという会社を初めて聞かれる方も多くいらっしゃると思いますので、簡単にご説明致しますと、約2年前に創業した非常に若い会社です。
これまでアスクル様、ヤフー様のコーポレートベンチャーキャピタル、それからSMBC様などから資金を調達して、プロダクトの開発と提供を行って参りました。そして本日この場をいただいております、大和ハウス様、フレームワークス様とも業務提携をしながら事業を進めて来ております。

私は佐々木太郎と申しまして、元々はアクセンチュアという会社で主にグローバル、当時の半導体のサプライチェーンのプロジェクトを手がけておりました。その後にブーズアンドカンパニーという経営コンサルティング会社のアメリカオフィス・東京オフィスで働き、複数社のベンチャーを創業した後に、BtoB領域における物流ということで、過去の自分のITの知見を生かして貢献したいと創業したのが株式会社Hacobu(ハコブ)です。

我々はミッションを、「運ぶを最適化する」と掲げております。
具体的に申し上げますと、まず我々のメインのターゲットは企業間物流です。この企業間物流を、テクノロジーで進化させ、そして持続可能な社会を作ること。そしてそのためのオープンプラットフォームを形成していくこと。先ほどの(GROUND株式会社)宮田さんのお話にもありましたが、我々もプラットフォームを作るということを目指しております。

すでに提供しているサービスがございまして、MOVO(ムーボ)と呼んでおります。
MOVO(ムーボ)・クラウドプラットフォームには大きく2つの仕組みがございまして、1つは「シップメント・エグゼキューション」と我々は呼んでおります。これはオンラインの配送受発注の仕組みです。
そして、そこで入ってきた荷物を運んでいるトラックを見える化するための仕組み、それを「シップメント・ビジビリティー」、リアルタイム運行管理の仕組みです。この2つを1つのプラットフォームで、一気通貫で提供している、それがMOVO(ムーボ)というプラットフォームです。

そしてそのプラットフォームを支えるIoTデバイスを、我々独自でいくつか提供しておりまして、GPSのデバイス、温度センサのデバイス、それから現在開発中のデバイス等を載せていき、クラウドプラットフォームとIoTデバイスが統合されたものを提供しております。
例えばGPSのデバイスですと、MOVOスティック(ムーボ・スティック)という、OBDに挿入したらGPSを飛ばしてここから直接、位置情報を送信するもの、そしてシガーソケットに挿してそこから給電して飛ばすもの、またスマホに入れて動かすアプリといったものを提供しております。

我々のもう一つの特徴として、MOVO(ムーボ)というプラットフォームを、自ら利用運送として運用しております。ですので、我々が実際に荷主様から荷物をいただいて、我々の協力会社様に運んでいただく、そういった形での運用をまず行っております。

そうすることによって、様々な機能改善を毎日行っていく。MOVO(ムーボ)を進化させていく。そして、その進化したMOVO(ムーボ)を、荷主様、それから元請け会社様に提供していく。
要は運送会社としての側面、それからシステムプロバイダとしての側面。その二つの側面を併せ持っているというのが我々の大きな特徴となっております。

IoTとAIが実現する未来の輸配送

ここまで簡単に我々のご説明をいたしましたが、ここからは、どのようにIoTとAIが未来の輸配送に影響を与えると我々が考えているか、そこについてお話させて頂ければと思います。

IoTとAIによって、我々は最終的に、輸配送が全て自動化されるであろうと考えております。ただし、そこには大きなステップがいくつかあると考えております。

ステップ1:コネクテッド・トラック化

まず最初はコネクテッド・トラック化。そしてコネクテッド・トラック化が完成した後にトラックのクラウド化が訪れる。そしてその後に、輸配送の完全自動化がやって来る。こういうステップでIoTとAIが輸配送を変えていくと考えております。

ではコネクテッド・トラック化とはどういうことか。これはトラックの情報がリアルタイムにサーバーにアップロードされ、リアルタイムにトラックを見える化出来る。具体的には、3つの情報がサーバーに上がっていくと考えています。1つは位置情報を中心とした車両動態情報。それからトラックの庫内情報。それから、運転しているドライバーの生体情報。こういったものがリアルタイムにインターネットに繋がってサーバーの輸配送のシステムにアップロードされる。そしてトラックが見える化される世界、それがコネクテッド・トラック化の世界です。

ステップ2:トラックのクラウド化

2つ目、トラックのクラウド化の世界。これはコネクテッド・トラックによって、多くのトラックが輸配送のシステムにつながっていく。そうするとこれまでは固定傭車として自分達である程度の車両を抱えていなければいけなかったのに対して、必要な時に必要なだけトラックを調達するようになる。そういった世界がやって来る、それがトラックのクラウド化の世界です。

ステップ3:輸配送自動化

そして最終的に、輸配送のシステムにAIが乗り、これまでは配車マンが行っていた配送計画の作成それから配車指示、そういったものを全てコンピュータが行って、配送指示が出されたトラックはドライバーが必要なく自動運転によって物をピックし、送るという世界。配車マンもいらない、ドライバーもいらないという世界がやって来る。これが、輸配送自動化という世界です。

コネクテッド・トラック化、トラックのクラウド化、そして最終的には輸配送の自動化という世界がやって参ります。
この3つのステップについて本来は説明差し上げたいのですが、本日は時間の関係上、(2つ目の)トラックのクラウド化というのはどういうものなのか、そしてそれは本当に起こっていくのかということについて、深堀ってお話ししたいと思います。

「トラックのクラウド化」とは

トラックのクラウド化という話なんですけども、実はサーバーのクラウド化と話が非常に似ていると思っています。かつては、大きなサーバーを何台も買ってきて、会社内にサーバールームを設けて、そこにサーバーラックを置いて、サーバーを何台も置いていく。サーバーを立てた後に、そこにシステムを入れて、自社のイントラネットでアクセスしてそれを使う。サーバーの台数は、マックスのキャパシティに合わせてサーバーを用意して構築する、というのがかつての姿だったかと思います。そうすると、サーバーの最大容量が常に固定費としてかかっている。そして時々、計算したキャパシティ以上の容量が必要になってきた時には、サーバーがダウンしてしまうという世界が、かつてはありました。

ところが今では、クラウドサーバーがだいぶメインになってきまして、AmazonのAWSに代表されるようなクラウドサーバー、ここにインターネットでアクセスをして必要な時に必要な量だけ使う。これまでは固定費だったサーバーの代金が従量課金制になる、変動費化されるという世界がやって来ています。さらにキャパシティが増えた時には、その量に応じてクラウドサーバーの方でスケーラビリティするので落ちることもほとんどなくなって来る世界。そういうことがサーバーの世界では起こっています。
これと同じようなことが配車の世界でも起こって来るというのが、「トラックのクラウド化」という考え方です。

今は各荷主様、もしくは元請けの会社様で固定傭車として車両を囲っている、そうすると閑散期にも本来は車両が空いているのに車両費を払わないといけないような状況にあると思います。それが固定傭車を減らし、プールされている車を皆様でスポット的に、オンデマンドで使っていく。そういったことができる世界が、「トラックがクラウド化された世界」と考えております。少し他の見方をしますと、下記のように波打っていますのが荷量の波動ですが、現状は繁忙期そして閑散期のその中間で固定傭車を囲っている、そういった会社様が多いかと存じます。


そうすると凹んだ時(閑散期)にも固定傭車を維持しておりますので、そこの分のコストがどうしてもかかってきてしまう。


しかし、「トラックのクラウド化」がされた世界では、この固定傭車のレベルを閑散期に合わせることができます。そうすると固定費が最小限化され、そして山の部分(繁忙期)は全てスポットで賄うことによって変動費化される。そういった世界がやってきます。

「トラックのクラウド化」実現のために必要なイノベーションとは

そしてこれが実現するためには、2つの大きなイノベーションが必要になってきます。

1つは、荷主・運送会社間のオンライン受発注。現在は電話やファックス、もしくはエクセルシートで車両情報や必要な荷物の量等を伝達している。これを全てオンライン化して、データ化していくことが必要です。さらに、運送会社はトラックをリアルタイムで動態把握していく。特に位置情報をしっかりと把握して、それによってスポットでの対応が可能になっていくようにする。
大きくこの「オンライン受発注」「リアルタイム動態把握」、この2つのイノベーションが不可欠です。

そういった世界がトラックのクラウド化を導くと考えるのですが、恐らく今、多くの皆様の頭の中では、「いやいやどちらかというと、車両を囲い込む方向に動いているじゃないか。そんな世界(トラックがクラウド化された世界)はやって来ないだろう」と考えていらっしゃる方は多いかと思います。
確かに、そうかもしれません。
でもそれが進んでしまうと、物流業界は、いわゆる「囚人のジレンマ」に陥ってしまいます。

「囚人のジレンマ」という言葉は、ゲーム理論、戦略論、数学の世界で語られている言葉ですが、どういうことかというと、本来は全員にとって良い方法があるのに、誰かが裏切った時のリスクが怖くて結局みんな裏切る状態、それを囚人のジレンマと言います。

例えば、物を運ぶという世界において考えますと、荷主A・荷主Bがいたとします。
限定的な車両というリソースを使う上では、車両をお互いシェアすることによって、配送固定費を減らして、車両が見つからないリスクを軽減する。これが本来の最適な答えです。
ただし、荷主Aさんが「荷主Bが車両を囲い込み出したら車両手配できなくなるかもしれない」と疑心暗鬼になります。「そのリスクは取れない。よし、じゃあ囲い込め!」と荷主Aが、本来は車両をシェアするという戦略を取るべきところを囲い込むという方向に動き出すと。そうすると荷主Aは「しめしめ、上手く囲い込めた。」と。それによって配送費増も抑えられたし、車両が手配できない状況も排除できたと喜んだとします。
しかし同時期に荷主Bも、「荷主Aが囲い込んで来るんじゃないか。」と考えて、結局荷主Bも囲い込もうと動くんですね。そうすると、車両という限られたリソースを奪い合う結果になってしまう。すると先ほど閑散期にも固定傭車を囲っているように、リソース利用に無駄が生じて来る。そして最終的には、自分達のコストを低減する、車両を手配できないリスクをなくすために行った囲い込み戦略が、最終的には(同業者)全員のコストもアップ、自分のコストもアップする、さらに車両ができないリスクもアップさせてしまう、そういった状況に追い込んでしまう。
そういった状況を囚人のジレンマと言いますが、本来であれば全員が得をする車両をシェアする方向に進むべきところ、囲い込むという状況に、皆さんが「囲い込むんだ」と考えた瞬間になってしまいます。

果たして、そういった囚人のジレンマをこの業界は脱することができるのか。
我々は今こそ、囚人のジレンマを脱する好機だと思っています。

「トラックのクラウド化」が起こると考える理由

それはなぜか。極度にリソースが不足しており、そして今後も不足するからです。
そういった時には、全員にとって良い方向に実は向かいやすいと言われています。囚人のジレンマを脱する一番の好機なんですね。
2020年、ドライバー不足は10万人に達すると言われています。これは全体の1割です。こういった状況ですと、本当に深刻なので、自分だけがいい結果を得ようという方向にはなかなか進みにくくなると。
「いやいや、自動運転があれば。自動運転によってこのリソース不足問題は解決できるから囲い込んでいけばいいじゃないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし我々は、その考えは現実的ではないと考えております。
2020年、政府が目指しているのはレベル3の自動運転です。ここでは基本的には、ドライバーはトラックに乗っていて、何か問題があった時にドライバーが対応する、要はあくまでクルーズコントロール(Cruise Control)に毛が生えたような世界です。完全にドライバーが必要ではなくなる世界が来るのは恐らく10〜15年後の世界でしょう。
そうすると今後3〜5年は極度にリソースが不足いたします。そうすると、全員の死活問題になって来る。

とすれば、囲い込みによる競争ではなくて、シェアによる共創をしていかなくてはならない。そして、その絶好のタイミングであると考えております。

このシェアによる共創を実現するためには、再掲しますが、2つのイノベーションが必要です。


1つは、荷主・運送会社間のオンライン受発注。データ化をして行く、ちゃんと見える化をして行く。そして、運送会社がトラックをちゃんと把握する。リアルタイムの動態管理で位置把握をしていく。
この2つを実現して行くことが不可欠です。そしてこういったコネクテッド・トラック化、トラックのクラウド化。それを進められるのは、まさに荷主の皆様だと考えられます。我々は全力でそれをサポートしようと思っております。

本日は我々のサービスの中身についてご説明する時間がなかったのですが、こういった考え方に基づいて、我々はプロダクトを設計しております。より詳しいお話を聞かれたいという場合は、お声がけいただければと思います。

本日はありがとうございました。

<株式会社Hacobuについて>
株式会社Hacobuは「運ぶを最適化する」をミッションに掲げ、
IoTとビッグデータの活用によって物流の効率化を目指すカンパニーです。

本社  : 〒105-0013 東京都港区浜松町1-23-9 セゾン浜松町ビル4階
代表者 : 佐々木 太郎
設立  : 2015年6月30日
Tel   : 03-6452-8837
運送会社向け動態・運行管理サービスURL: http://movo.co.jp/
配送依頼サービスURL: http://delivery.movo.co.jp/
事業内容: ハードウェアの設計製造販売、アプリケーション開発
提供サービス:求貨求車(空車情報と貨物情報のマッチング)サービス・運行管理一体サービス「ムーボ(MOVO)」