ニュースリリース

大和ハウス工業株式会社主催のセミナーに、代表取締役 佐々木が登壇。コーディネーターの株式会社フレームワークス 代表取締役社長 秋葉淳一氏と共に、パネラーの1人として、これからの物流についての考えなどをディスカッションしました。

2017/8/25

8月3日(木)、大和ハウス工業株式会社建築事業部が主催するセミナー「Intelligent Logisticsの実現に向けた大和ハウス工業の取り組み」のパネルディスカッションに、パネラーの1人として株式会社Hacobu 代表取締役 佐々木太郎が登壇しました。コーディネーターの株式会社フレームワークス 代表取締役社長 秋葉淳一氏と共に、これからの物流についての考えなどをディスカッションしました。

ここでは、佐々木が語った内容について抜粋し、掲載します。

秋葉淳一氏(以下、秋葉):(先ほどの講演では、)自動運転ではドライバー不足は解決しないという話の中で、10〜15年経ったら自動運転が出来るという話だったが、本当に出来ると思うか?

佐々木太郎(以下、佐々木):ドライバーがやっている作業は、運転しているという作業だけじゃなくて、荷積み・荷下ろしという荷役も非常に重要な作業の1つなんですね。完全に自動運転化するといった場合に、ドライバーがいなくなると、バースに着いて、そこから全部荷物を降ろすというところも全部機械化しなければ、ドライバーを完全になくすということはなかなか難しいだろうなと思っています。

秋葉:あと、隊列走行という話も出てきていると思いますが、それはどう捉えていますか?

佐々木:隊列走行が解決できるのは幹線の部分でして、幹線の部分ではある程度有効であるとは思っています。トラックのキャパシティを増やすという話にイコールなので、例えば、今のトラックのキャパシティに対して、現時点での積載率が50%以下であると。稼働率ではもっと低いと言われている中で、トラックのキャパシティを増やすことが解なのか、それとも、トラックのキャパシティに対してアロケーション(割り当て)を的確にして行くことが解なのかというと、実は後者なんじゃないかと思っています。
我々がまさにやっているのは、トラックというリソースに対して荷物をいかにアロケーションするのかという部分だと思うんです。今はそれが全て電話やファックスで行われていて、現場に行くと運送会社のリストがあって、電話しまくるわけですね。電話しまくって、「岐阜ピックで東京下ろし、いける?」ということをずっと聞いて行くと。そういう状況では、いかに幹線のキャパシティが増えても、正確なアロケーションはできないでしょうと(思います)。なのでそこをオンライン化して、データ化して行くことが必要だと思っています。

秋葉:やっぱりオンライン化はすごく重要だと?

佐々木:そうですね。今の現場では、ファックスや電話で行われています。そして「現状、それで回っているのだからいいよね」っていう風に言われることも結構あるんですけども、もうそんなこと言っていられない状態になりつつあるので、そこは(荷主の)皆さんが主導権を取って変えて行くと。そこにある程度投資をして変えて行くという、リーダーシップを持って全員でこの業界を変えて行くということが必要なのではないかなと思っております。

秋葉:先ほどの講演で話していた「囚人のジレンマ」というのは、変えるきっかけは荷主様の意識以外に何かあるかな?
※「囚人のジレンマ」…ゲーム理論におけるゲームの1つ。 お互い協力する方が協力しないよりも良い結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなる、というジレンマのこと。ここでは、本来は限定的な車両というリソースをお互いシェアすることによって、配送固定費を減らして、車両が見つからないリスクを軽減することが最適解にも関わらず、車両手配が出来ないことを恐れて、各社が車両を囲い込む方向に動いてしまうことで、車両という限定されたリソースを奪い合うことになり、最終的には同業者全員のコストもアップ、自分のコストもアップ、さらに車両ができないリスクもアップさせてしまう状況を呼んでしまうことをさす。

佐々木:色々と学問的には囚人のジレンマから抜け出す方法というのは定義されているんですけども、それは置いておいたとして、そのゲームにいる各プレーヤーがたとえ性善説に基づいても、実は(結果が)変わらないんです。ゲーム上のリソースが極端に枯渇する場合、皆死んじゃうので、そっち(囚人のジレンマ)の方向に動きやすくなる。
荷主様のマインドが変わる云々がトリガーなのではなくて、実は環境的なトリガーが引かれているという状況だと思います。その結果として、今、競合と言われているような会社が手を組んで一緒に配送しましょうということが起こってきている。そのトリガーは(すでに)引かれて、大きくその方向に動いてきているのが事実だと思います。ただ、まだそこに乗り切れていないような荷主様がいて、そういったところとお話しする場合、「上層部が競合と手を組むなんてありえないと言っている」ということがあったりします。そういった方々、上の方々のマインドを変えて行く働きかけというのを、物流部の方であったり、管轄している役員の方が発信して行く必要性があると思います。

秋葉:運送会社様側からだったら何かあるか?

佐々木:各大手の元請け会社それぞれで、自分たちの元請け・下請け構造の中でのピラミッドがあって、その中でのデータの共有化、それから言葉の共有化をしようという話は出てくる。ただそれがだんだん進んで行くと、荷主様からするとここの運送会社の時はここのシステムを使って、別の運送会社を使う時は別のシステムを使うというように、実はそれこそ囚人のジレンマ状態になる、全体最適にならないということになりかねないという動きが実はあると思っています。
そこで我々のようなサードパーティがプラットフォームを作ることの意義があるのではないかと。我々のプラットフォームに、いろんな元請け様が乗っていただくことによって、言葉の統一化、データの共有化、というものが進んで行くということが出来るのではないかと。その時には、実は荷主の皆さんに応援頂くと、すんなりとそれがやりやすいというところがあります。

秋葉:固定車両って、すごくポイントじゃないですか。一台一台の積載効率の悪さっていうのは、皆さん目の前で起きていることなので非常にご苦労されているし。一所懸命(改善を)進めてきていると思うんだけど、そもそも固定車両の率をどのように下げるのかと言ったところを、先ほど講演の中でも仰っていたと思うけど、もう一度話してもらえますか。すごく重要なことだと思っているので。

佐々木:固定傭車を抱えないと、ちゃんと物を運びきれないっていう恐怖があるからですね。これだけドライバー不足と言われている中で、車両というリソース、ドライバーというリソースを早く確保していかないといけない。ただ、逆にそれによって配送固定費が上がってきている、という状況にあると思います。
例えばある大手のメーカーのとある工場で聞いた話ですと、月初は繁忙期で月末は閑散期。月初には20台のトラックが必要で閑散期は12台で済みますと。そこに対して、固定傭車を16台擁していて、実は月末は4台のトラックが空いているんだけども、固定傭車として囲っているので、払い続けていますという話がありました。その時に固定傭車を12台に減らして、スポットで残りを全部調達した場合、スポットで調達する場合はどうしても料金が上がってしまうんですけども、計算してみると全部スポットで調達したとしても固定傭車が4台減る分、全然ペイすると。もしくは全体の配送費が下がる計算がされました。なので、今の固定傭車がどれだけのコストになっているかを見直してみるのは、やってみるといい発見になるかなと思っています。その時に全部スポットでまかないきれるのかそこが怖いよという部分もあるかと思いますので、そこに関しては、徐々に固定傭車を減らして行くというようなトライアルをして行くということがステップとしては出来るのではないかと思います。

もしくはですね、固定傭車を空いている時に他の会社に融通してマネタイズするという方法も提案しています。

秋葉:それは自分(Hacobu)のところに繋げてくれてって?

佐々木:余っている車両をどうしたらいいのかっていうような荷主様が結構いらっしゃって。それであればそこに荷物をうちがあてますよというようなことを提案していたりします。2ヶ月前にアメリカに行ってきまして、コヨーテという会社があるんですが。アメリカでブローカー、荷主と運送会社の間に立って荷物を運ぶ車両を調達してきて運ぶ、利用運送の会社があるんです。ここがやっていることが日本の利用運送と少し違っていて、実際の荷主同士を繋げて、荷主同士の空きのトラックを把握して、組み合わせていくんですね。それによって 荷主間のウィンウィンが実現している。それがなぜ出来るかというと、オンラインで受発注しているから、データ化されているからなんですね。だからまずはそこをやって行く必要があると。そうすれば、その後空いているトラックを融通し合う世界が実現できると思います。

秋葉:スポットで割りつけることが出来るようになると、ダイナミックプライシングってしやすくなるんじゃないですか?

佐々木:価格の話ですね、そこはまた奥が深くなるんですけども。
実は物流の世界、特に輸配送の世界の需給調整がうまくいっていない根源はプライシングにあると思っています。政府は標準価格を出していますが、実際は全く使われてない。そもそも価格というものは受給によって変動すべきもの。変動するからこそ、需要と供給がうまく調整させて、リソース、アセットが有効活用できるんですが、今は実は価格が非常に不透明で、運ぶ物によって同じトラックなのに値段が違ったりするんですね。それって非常にこう、情報の非対称性で儲けているという世界でですね、やっぱり不健全であると思っています。なのでそこは価格の透明化、需給によるダイレクトプライシングにはぜひ取り組んでいきたいと思っています。

秋葉:最後に何か一言。

佐々木:本日はありがとうございました。今日いらっしゃっているのは荷主の方が多いと聞いておりますので、もしかすると、どちらかというと倉庫の中にご興味がある方が多いかもしれません。そういった場合は大体が3PLまたは元請けの会社様に輸配送の部分は完全にアウトソースしているので、我々はノータッチなんだよね、と言われる方が多かったりします。
ただ、これから物流というものを会社のコアコンピタンスとして捉えて、会社の強みにしていく。弱みにしないということを考えると、倉庫だけではなくて、倉庫から輸配送のところまでちゃんと手を入れてコントロールして行くことが非常に重要になってくると思います。なので、もしそういった考え方をされている方がいらっしゃるのであれば、今日がきっかけとなって、輸配送の方もちゃんと見て行こうと考えていただけたのであれば、非常に有意義な時間だったかと思います。ありがとうございました。

<株式会社Hacobuについて>
株式会社Hacobuは「運ぶを最適化する」をミッションに掲げ、
IoTとビッグデータの活用によって物流の効率化を目指すカンパニーです。

本社  : 〒105-0013 東京都港区浜松町1-23-9 セゾン浜松町ビル4階
代表者 : 佐々木 太郎
設立  : 2015年6月30日
Tel   : 03-6452-8837
運送会社向け動態・運行管理サービスURL: http://movo.co.jp/
配送依頼サービスURL: http://delivery.movo.co.jp/
事業内容: ハードウェアの設計製造販売、アプリケーション開発
提供サービス:求貨求車(空車情報と貨物情報のマッチング)サービス・運行管理一体サービス「ムーボ(MOVO)」